chikoのSims3日記

The Sims3のSS中心な日記です。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

My Love Song : Chapter.27 - My Love Song -


身体から包帯が取り去られた頃、面会謝絶がとかれ
病院の個室を使い続けることを嫌がった私は、主が不在となったライザー邸に招かれて移動した。







寝たきりにならないように散歩をしたりリハビリも積極的に受けたので、もうすっかり健康体そのものらしい。

MLS27 SS-01

お散歩と言っても海には近寄らせてもらえない。
自分の不注意で溺れかけたのだから文句は言えないけれど・・・・さすがに暇だ。





MLS27 SS-02
トリヴァーさんみたいに何かを創造するスキルがあれば…。と思うが、残念ながら私には絵心も発想力も無きに等しい。

トリヴァーさんを眺めていると、私はつくづく、平凡でつまらない人間なのだと思い知ってしまう。








- あの時の・・・・トリヴァーさんの告白には凄く衝撃を受けたけれど
 私の代わりに用事を済ませて帰ってきた彼は、いつも通りのつかみ所のないトリヴァーさんに戻っていた。

動揺していたジョニィも、言及はせずにあの事を忘れることにしたようだ。

MLS27 SS-03
その事にホッとしたような・・・・何となく寂しさを感じたような・・・・。
そんな己の感情に付いていけない私がいたけれど、自分の感情すら理解できない私は、彼等の優しさを甘受するしかない。 -










「それで・・・?
 君は本当にそれで良いのか?」

MLS27 SS-04

ご当主?と、怪訝そうな声で呼びかけられ慌てて声の主へと意識を向けた。




- 私の馬であるアグネシカ達までも、未だに世話をしてくれているリカルドさんに
  彼女達を本家へと帰還させる相談と、とある事の報告をしている最中だった。 -




「え・・・、えぇ、もう決めたことです。後のことは後見人の方に委ねました。
 リカルドさん・・・貴方も、もう、ご自分の好きなようにして下さい。」
MLS27 SS-05
「・・・・・これが性分だから、私は私のままだ。良い子のフリをしていると楽だからな。」

「ふふ・・・・」






それでも皆 前を見て進もうとしてる

私も この旅が終わったら・・・・










遠くからドタドタと誰かが走っているような音が響き、

「お嬢の声がする・・・・。お嬢ここに居るのか?」

- 偏った方面へは警察犬並に鋭い - ジョニィの声、
そして、騒音と共に応接室のドアが開けられていた。


MLS27 SS-06
「もう身体は大丈夫なのか?医者達に何か変なことをされなかったか?」




ドアを開ける前に、確認すべき事なのでは・・・・と、冷静に考えている場合ではないわよね・・・?






「キャッ・・・!急に触らないでよ、ジョニィのヘンタイッ!!」
「ちょっ、変態って何だよ!?こっちは心配してやってんだから、怒ることないだろ!」







MLS27 SS-07
「って、え・・・・、でぇぇぇ・・・?!」





なによ、もう・・・
そんなに驚くことないじゃない・・・・・・






「ジョニィ君はいつでも元気だな。」
MLS27 SS-08
「だ、だって、あれっ、お嬢のっ!?」
「あぁ、女性なのだから髪型くらい変えるだろう。一々騒ぐでないぞ」



「アンタは知ってただけだろ。俺だけ、知らなかったんだぞ!」







レオネルさんの施術を受ける前に短く切った髪も、もう既に以前と変わらないくらいの長さになった。

そういえば、屋敷内を五月蠅くされるのは困るから と、ジョニィにだけ面会謝絶のまま、季節が移ろいでいったのだ。
そうか、ムードメーカーのジョニィが居なかったから、静かに過ごしていたのだわね。







「私だって女性なのだから、ジョニィみたいに無頓着では居られないわ」
MLS27 SS-09
「あっそ、無頓着で悪ぅございましたね。
 つーか、なんでオッサンの後ろに隠れるんだ?」


「ふむ・・・・。」




トリヴァーさんが私達のやりとりを静かに見守っていたので、彼の背に思わず隠れてしまうと
すかさず、幼馴染みから指摘されてしまう。







「なぁ、何でだよ?」

何度も訊いてくる癖は小さい時のまま。
ジョニィはこの一言に、いくつもの疑問を含ませているのだろうけれど・・・・・・。


幼馴染みが変わらないことに喜んで良いやら、嘆かわしいやら・・・だ。







「ジョニィはいつまで経ってもお子様のままね。」
MLS27 SS-10
「おぃ、なんで急にそんなこと言うんだよ。」




「おっさん、どうせ只のじゃれ合いだろ?邪魔だろうからこっち来なよ。」
「ん・・・うむ。」




咄嗟にトリヴァーさんの腕を掴もうとしたけれど、やんわりと、かわされてしまう。
普段どおりに紳士然としていても こういう時にはあまり助けてはくれなくなった。





一度だけ、理由を聞いてみたけれど、『レディは男心をわかっておらぬ。』としか答えてくれなかった。






ちょっとした変化と自分の胸のザワつきを追いやるように、『フゥ・・・』と、大げさに溜息をついてみせると
案の定、この心優しい幼馴染みは過剰に反応してくる。





彼だけは変わらないでいて欲しい
けれど ちょっとは気付いて欲しい





「いつまで経ってもお子様なのは、お前の方だろ」
MLS27 SS-11
「お前って呼ばないでよ、ジョニィのばか!」





何故だろう・・・。ジョニィには遠慮がない分、色々と言ってしまう。





「確かに俺はお嬢みたいに頭が良くないけどさ、大声で言うことないだろ?」
MLS27 SS-12
「それに俺はもうお子様じゃな・・・・・・。いや、何でもないから。今のは忘れてくれていいよ。」






ジョニィは急に言葉を濁したけれど、何を言いかけたのだろう・・・
うーん・・・・・・、ジョニィのことだから、あまり重要じゃないことなのかしら?







「あれ・・・・頭・・・んん? お嬢、顔をこっちに見せてみろよ。」

MLS27 SS-13
「嫌よ。」






ジョニィになんて言われるか、馬鹿にされないか、ずっと心配していたのに・・・!
最初に、気付いて欲しかったのに・・・







「いいから、こっち向いてくれよ。」
MLS27 SS-14
「・・・・」


不安に呵まれている間に腕をつかまれ 視線を逸らすように背けていた身体を、ジョニィの方へと向けさせられた。







MLS27 SS-15
「・・・・お前、傷が無くなって・・・・。そうか、やっと、踏ん切りが付いたのか?」
「うん・・・・・・。まだ完全に、蟠りが昇華したわけじゃないけれど・・・・・・」






そっか・・・・。

彼の穏やかな声は彼の優しい心が現されているようで 私を唯々、癒してくれる。







「・・・・・見せつけてくれるよねぇ。」
MLS27 SS-16
「ふっ・・・。仲が良くてなによりだが、周りに人が居ることを思い出してくれると助かるぞ、御当主。」

「『仲良きかな』か・・・・。ハァ・・・・」



エドさんのからかいを含んだ声とリカルドさんの呆れを含んだ忠告。
そして、トリヴァーさんの溜息が妙に大きく聞こえてくると なんだか居たたまれなくなってしまう。







私はもう、当主という立場に縛られ続けることを放棄した人間だ。
それなのに、リカルドさんに『御当主』と言われると、私一人だけが逃げだしたという事を
言外に責められているような気分になる・・・。

”どうして私だけが・・・・”
そうやって 何もかもを世の中の所為にしてしまいそうになるのだ。







「ご、御当主って呼ばないで下さいっ!・・・・・も、もう、知らないっ!」


MLS27 SS-17
「ちょっ、急になんだよっ!病み上がりのくせに何処に行くんだ、お嬢っ!!」

気がつくと私は部屋を飛び出していた。













がむしゃらに走り、行き着いたのは静かな浜辺だった。

MLS27 SS-18
整理の付かない心を包み込んでくれるような、穏やかな潮騒が心地良い。






考えなくてはいけないことが山ほど有る。

両親のこと。私自身のこと。
ジョヴァンニのことや、スコットさんのこと・・・・。





どうしたら良いのか 正直なところ 私にはわからない・・・・






MLS27 SS-19
考え込んでいるその思考に、波の音だけが響いてくる。








潮騒に身を委ねていると
昔、母が寝しなに聞かせてくれたあの詩に 海が出てきたのを思い出した。



”My love is warmer than the warmest sunshin,softer than a sigh.
 私の愛はどんな温かな日差しより温かく、吐息よりやさしい

 My love is deeper than the deepest ocean,wider than the sky.
 私の愛はどんなに深い海より深く、空よりも広い

 My love is brighter than the brightest star that shines every night above
 私の愛は、頭上に毎夜輝くどんなに明るい星よりも明るい

 And there is nothing in the world that can never change my love
 そして、この世のどんなものも、私の愛を変えることはできない


MLS27 SS-20


「”My love is deeper than the deepest ocean,wider than the sky.”」






MLS27 SS-21
「「”私の愛はどんなに深い海より深く、空よりも広い”」」


私の声に誰かの声が重なった。







「懐かしいわね。私も昔、自分の想いを詩に込めて、愛する人へと贈ったことがあるのよ。」
MLS27 SS-22
「え・・・?」



突然声をかけられて周りをようやく見回してみると、辺りは夕景に包まれようとしていた。
浜辺には、声をかけてきた女性以外は見当たらない。






「お嬢さんもここの夕日を観に来たの?」
「いえ・・・」






MLS27 SS-23
「ここはね、夕焼けがとても綺麗でしょう。
 私と夫の、お気に入りのデート場所なのよ。」

そう言うと女性は私の隣に腰を下ろした。








「ここは何か考え事をするのにも良い場所よね。
 誰かと喧嘩したり、悲しいことがあった時に海を観ていると落ち着くわ。」

MLS27 SS-24
「・・・・私も、です。一人で考え事をしたかったから、ここに辿り着いたのかもしれません・・・」



始めて会った人に、何を話しているのだろうか、私は。








MLS27 SS-25
「フフ、思考の渦にのみ込まれていると潮に攫われそうになるのよね。
 でも、その頃になると現れるのよ。」







何が?と、聞き返そうとした時、遠くから馬の嘶きが聞こえてきた。
あの声は・・・・・・・アグネシカ?







MLS27 SS-26
「アグネシカ・・・?、どこにいるの?!」
「あら、あなたの馬もアグネシカって言うのね。
 あ、来たわ。アナタ、こっちよ」







MLS27 SS-27
「お嬢ちゃん、待たせてすまなかったな!」
「あ、あなたはあの時の!!」


私の馬と一緒に現れたのは、大おじの邸に居た赤毛の男性だった。







気性が荒くて特定の男性以外には懐かない、私のアグネシカ。
その彼女を、あの男性が馬上でいとも容易く操っている。







「やあ、金の髪のお嬢ちゃん。君も一緒だったのか」
MLS27 SS-28
「その馬はこの子の馬のようよ。アナタの愛馬と同じ、アグネシカって言うんですって。」



女性と、その旦那さんらしい、赤毛の男性は穏やかに笑顔を交わしている。








男性の話によると、ジョヴァンニが私を探し回っている時に邸の馬場にいるアグネシカに気付き、
MLS27 SS-29
乗ろうとして、振り落とされたそうだ。







そして、
MLS27 SS-30
暴れる彼女へと咄嗟に騎乗したのが、この男性だった。






落ち着きを取り戻したアグネシカが私を追うかのように動き出したので、
彼女の意のままに進み、この海辺へと辿り着いたという。






MLS27 SS-31
「あの、ジョニィは・・・乗ろうとしていた男性は、大丈夫でしたか?」



無茶ばかりする彼のことが心配で思わず尋ねてしまったのだけれど、男性はニヤリと笑っている。







「お嬢ちゃんの大事な男なのか?あのへっぴり腰では、この白く美しいレディは乗りこなせそうにも無いな。」
MLS27 SS-32
「ジョニィは優しいだけなんです!! 自分が扱えるからって、乗りこなせない人を馬鹿にするのは止めて下さい!」







「あらあら、アナタが意地悪言うから怒られちゃったわね。」
MLS27 SS-33
「お嬢ちゃん、面白がっているだろう?
 まぁ、確かに今のは俺の失言だ。」






MLS27 SS-34
「悪かったな、そこのボウズ!」






男性の後方にジョニィの姿が見えた。






「な、だれが、ボウズ、だ・・・。巫山戯んなよ、オッサン!
MLS27 SS-35
 大体な、乗れるなら、俺も乗せてけってんだよ!!」




肩で息をしてるから男性には聞き取れなかったと思うのだけれど、私にはジョニィが何を言っているのか手に取るようにわかった。
伊達に十数年も幼馴染みはしていないのだもの。







MLS27 SS-36

彼は私の大事な幼馴染み それ以外は無いはずよ・・・・・・・。

多くを求めず、目立たないように生きてきたのだから
私はこれからも一人でいないと、周りを不幸にしてしまうかもしれない。








MLS27 SS-37

”幼馴染みのジョニィは私の大事な家族だ。
 それ以外には意識してはだめ・・・・”

今まで何度も自分自身に言いきかせてきたけれど
それでも・・・・・優しい彼を突き放せない。







私はなんて身勝手なんだろう・・・・








「女性を不安にさせるのはガキのやることだ。もっと大事にしてやるんだぜ?」
MLS27 SS-38
「う・・・、うるせぇな!他人に言われなくっても分かってるよ!」





大きなお世話なんだよ、チクショー!
と、吠えている。

こんな時でも彼らしいその行動に、思わず頬が緩んでしまう。







MLS27 SS-39
「大事なお友達と仲直りできると良いわね。」
「はい、ありがとうございます。」




『お友達』・・・







MLS27 SS-40
「じゃあ、お邪魔だろうから私達は行くわね。三人とも、喧嘩しないで仲良くするのよ?」
「邪魔したな。元気を出すんだぜ、お嬢ちゃん!」


不思議なご夫婦はそう言うと仲睦まじそうに去っていった。
励ましてくれたのは有り難いのだけれど、この微妙な空気をどうしてくれるというの・・・・。









MLS27 SS-41
「あのジジィの邸に帰るのか?」
「そうね。日も暮れるしスコットさんに相談したいこともあるから、あの邸に帰りましょう。」


「ん?スコットって誰だ?」







「ゴホンッ・・・。私も居たのだが、気付かなかったようだな。」
MLS27 SS-42
「わぁっ!?って、オッサンも来たのかよ。」

ジョニィの背後から、トリヴァーさんが姿を現した。







「フフ、私は気付いてましたよ。スコットさんはいつも見守ってくれていますからね。」
MLS27 SS-43
「あぁ、スコットっておっさんの名前ね。
 ・・・・・ん?お嬢が他人のファーストネームを呼ぶなんて、珍しいな。」







MLS27 SS-44
「「”なんでなんだ?”」って、訊くのでしょう?でも、教えてあげない。」
「ふ・・・・。私も、『教えてあげない。』だ。偶には自分で考えるのだな」



「二人して、なんだよ・・・・。」




トリヴァーさんまで、便乗してジョニィをからかうつもりらしい。
つくづく、この芸術家さんはお茶目な人だと思う。







MLS27 SS-45

あなたが居ない間、トリヴァーさんがどんなに私の心の支えだったかなんて ジョヴァンニには教えてあげない。





”私とトリヴァーさんだけの秘密”
そんな些細なことが新鮮で、凄く楽しいのだから。








「なぁ、まだ旅は続けるんだろう?」
「え、えぇ、三人で次の目的地を話し合いましょ。」
MLS27 SS-46
「うむ。」
「おぅ。」





この不思議な感覚を、もうちょっとだけでも良いから感じていたい。
いつか私が 自分の心と向き合えるようになるまでは・・・・・・。







「さぁ、邸に帰りましょう・・・!」
MLS27 SS-47
「ちょ、一人だけ馬に乗ってくなんてずるいぞ、待てよ、お嬢!」








「待てって言ってるだろ
MLS27 SS-48
 ・・・・アンジェリーク!!」


「その名前は嫌だって、何度も言ってるでしょう?。わざと呼ぶような意地悪な人のことは、待ちません。」



そう言いながらも、私は手綱を引き、馬の歩を緩めて二人を待つ。





幼い頃に凍り付いてしまった心は 
この二人や周りの人達の優しさで ゆっくりと溶けていくのだろう。




                                                                             ~ Fin ~



テーマ:The Sims3 - ジャンル:ゲーム

  1. 2015/12/27(日) 11:55:59|
  2. My Love Song
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。