chikoのSims3日記

The Sims3のSS中心な日記です。

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My Love Song : Chapter.26 波紋

心に波立つ 深く暗い波に投げ入れられた小さな石の衝撃は
荒波にも 細波にもなる 要因となるのだろうか

                                                     





レオネルさんが私に話して聞かせたのは、私の身体にある外傷についてだった。


MLS26 SS-01

- 身体の傷というのは幼い頃のあの事故で負ってしまった傷のこと
  お母様が身を呈して庇ってくれたから軽い火傷と擦過傷くらいで済んでいたのだけれど
  私の額には 今もその傷跡が残っている。

  普段は前髪で隠しているけれど、誰かに額を触られそうになると手を振り払って拒絶してしまうクセがあるのだ。

  でも・・・・ジョニィにだけは、触られても平気なのには、自分自身、不思議に思う。
  裏表の無い幼馴染みだから、だろうか? -







MLS26 SS-02

その額の傷を形成外科医であるレオネルさんが手術で取り去ると提案してくれたのだけれど

この傷は私を戒める為のもの。
そう思って、今までそのままにしてきた。







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「せっかく生き残ってるんだから、下を向いてばかりいないで楽しく一生懸命に生きるのが両親への恩返し、って考えられないのか?」

「・・・・・・ッ!」


私の話を黙って聞いてくれていたレオネルさんが 幼子を諭すように穏やかな声で私に語りかけてくれる。







物の見方を変えたらこんなにも前向きな生き方が出来る・・・。
レオネルさんに言われて、気付かされた。







「君は痩せギスだが、顔の見栄えはまぁまぁ並な方だから勿体ないぞ。
 天才形成外科医の俺と出会ったのも何かの縁だ、手術させてみろ?」
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「・・・・・・・・。」





私が返事を躊躇い、有耶無耶のままに話が終わってしまうのだろうと思っていたら、
しっかりと施術の実行を言い渡されてしまった。


身体にメスを入れるだなんて、正直言ってかなり怖い。
やんわりとそれとなく抵抗してみたのだけれど、『自称・天才形成外科医』さんに
「美容整形ではなく形成手術だから、君の地味な顔は変わらずだ。安心しろ。」と、一蹴された。





確かに私は地味だけど・・・・。だけど、何か釈然としない・・・・・。







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「まだ暫く入院してもらうことになるが、病人じゃないんだから寝間着姿じゃなくてもいいからな。
 君の身内が着替えを持ってきているはずだから着替えるといい。」
「はい。」


「それと、眉間の皺は癖になるぞ。皺の除去は美容整形だな、序でにやってやろうか?」
「っ!?遠慮します!」

世話好きな優しい人なのか それとも遠縁とはいえ身内だから遠慮がないのか・・・・。
レオネルさんはよくわからない人だ。



兎にも角にも、経過を見て体力が回復してきた頃、ジョニィ達には知らせないまま施術を受けることが決められた。













いつの間にか熱雷は過ぎ去り 雨に濡れた木々の匂いが満ちていた。


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「ごめんなさい。もう、大丈夫だから、離して・・・。」
「あぁ・・・・」

言葉とは裏腹に お互いを抱きしめた腕は解けない。













あの日・・・・本家の現当主を、僕の父が貶めようとした。

MLS26 SS-07
それは事件としてスキャンダラスに報道されてもいいくらいだったけれど、あの当主は内々に処理したようだ。

つけ込まれる隙を心に抱えているのに 彼女は相当、お人好しのよう。







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彼女の境遇からくる心の闇は端からみても深そうだけれど
それでも自分を殺めずに生きているのは 彼女の心が弱いからではない

根底では両親の今際の際の想いを、彼女自身がちゃんと受け止めているからだ。

と、僕は思う。







心の強さは周りの環境あってのことだと思うんだけど
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あの二人のどちらかが、彼女の心の支えなのか・・・。





なんて事には僕は興味はないけどね。







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「あーぁ、人の心の裏ばかり読もうとするボクには、春は遠そうだなぁ。」





悲しいかな・・・
僕の思い人は、僕の事なんて気にも留めてくれない。







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「あの子には病院内にいるからって言っちゃったけど、レオ君だから大丈夫だよねー。」



ジョヴァンニ君達の献身さをみていたからだろうか。
自分も、自分の思い人に会いたくなってしまい、身体は自然と病院の外へと向かっていた。







「・・・・・・から、離して・・・・」
「あぁ・・・・。」






「・・・・・・ぇ?」

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病院という場所柄、患者やその見舞客達が悲しみに暮れる姿を見ることはある。
抱きしめ合っている男女のシルエットが遠巻きに見えたときもさほど気にならず、ただ静かに通り過ぎようとしたのだけれど







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僕の心を占めている女性の声が微かに聞こえた気がして、足を止めてしまった。







「あれ・・・・エマさん・・・・・・?どうして病院にいるの?」
MLS26 SS-14
「あ・・・れ?芸術家さんも、なんで・・・?」






なんで、二人は抱き合っているの・・・・。







「ぁ・・・。あれ?!ジル君、なんでこんなところに居るの?」
MLS26 SS-15
「ここはレオ兄さんの病院だよ。エマさんこそ病院は嫌いって言っていたのに、なんで居るの?」


「ん・・・まぁ、ね。知り合いを送ってきただけなんだけど・・・・」





ねぇ・・・なんで大人しく抱きしめられていたの・・・・・




いっぱい聞きたいことがあるのに 僕の存在を否定されそうで 怖くて聞けない。






「ジルベール殿の知り合いだったのか。
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すまぬな、懐かしい人物に遭遇して思わず抱きしめてしまったぞ。」





古馴染みに再会したような雰囲気には、微塵も感じられなかったよ・・・・・・・







「ゴホンッ・・・。エマ、君とは色々あったが、それはもう過去の事。」
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「私が言うのは烏滸がましいのかも知れないが、君は幸せになれる女性だと思うぞ。」

「スコット・・・・・・」




二人とも僕の存在を忘れて話を進めるつもり?
それに、ただの知り合いには見えないくらいに、距離が近くない?
絶対に怪しいよ・・・・・・!







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「何?僕のエマさんに何言ってるの?なんでエマさんが泣いてたの?!ねぇ、僕にも解るように言ってよ!」
「ジ、ジル君?!僕のエマさんって、何?」


「”僕の”、か・・・・。」







「エマ、君は、私の眠り姫とは顔の造形だけではなく精神的にも似ているようだが
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自分を責め続けるのは止めて、自分は周りを幸せにできるのだと気付いてもよい頃だろう。」







「ぇ・・・・・・?ジル君はあの裁判の時にお世話になったお医者さんの、助手だった方よ。
 今でも偶に気に掛けてくれる、仕事熱心な人なの。」
MLS26 SS-20
「・・・・・・・・・。心理学者相手には無駄な抵抗かも知れないが、それ以上の言葉は心の中にしまっておくといい。
 さすがに気の毒すぎるぞ。」






「エマ、君は私にとって最高のモデルだった。君の幸せを、祈っている。ではな。」






MLS26 SS-21
「スコット・・・・・・。」


切なそうに、名残惜しいように他の男の背中を見つめるエマさんを 僕は黙ってみているしか出来なかった・・・・。










「クシュンッ。」


立ち去った陰がなくなっても彼方を見つめ続けていた彼女の小さなクシャミで、止まっていたときが動き出したように感じる。





MLS26 SS-22
「エマさん、風邪引くから院内に入ろう?」
「大丈夫、私これでも結構丈夫なんだから。」


まだ泣きそうな顔をしているのに無理に笑ってみせる彼女を見ていると、僕の心は締め付けられそうになる。







「ジル君・・・。私はもっと自分を磨かなくっちゃダメね!
MLS26 SS-23
でもそれは明日から頑張るとして、今夜は二人でパーッと騒ぎましょうよ!」


「ふふ、騒いでいるのはいつもエマさんだけでしょう。
 それに、僕は今のままのエマさんが好きだよ。」







「ま・・・・、またまたー!ジル君はいっつも私をからかうんだから・・・・・・・。
 ダメだよ、そういうの。女の子は勘違いしやすいんだからね!」
MLS26 SS-24
「ぇ・・・、女の子?」
「あなたの目の前に居るでしょう。態とらしくキョロキョロ周りを見回すんじゃないの!」







MLS26 SS-25
「アハハ、ごめんなさい、今日は僕が奢るからそれでチャラにしてよ。」
「仕様がない、許してあげよう。じゃぁ、早速出発するわよー!」



たわいもないじゃれ合いで有耶無耶になってしまうのもいつものこと。

それでも僕は・・・・







MLS26 SS-26
「エマさんのそういう所も、僕は好きだよ。」
「はいはい、ありがとうー。」



僕の想いを本気だと思ってくれない彼女に それでも僕の気持ちを伝え続ける。
この想いがいつか伝わると信じ続けて。












レディのような女性に不思議な縁があるのか それとも天使のタチの悪い悪戯なのか・・・・
どちらにしても私には関係のないこと。

私は、私の世界をこの手で創り出し、表現できればいい。






「オッサン戻ってきたのか。・・・あれ、あの人は?」
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「彼女は、彼女のナイトに預けてきたぞ」
「は・・・?」







「まぁ、どうでもいいか。」
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「お嬢のことだけど、まだ暫く入院するらしくてさ、お嬢から頼まれた書類を俺が本家とかにに届けることになった。」



誰かがレディの世話をするのかと思ったのだが、アントニオ夫妻は氏の仕事の関係で早々に戻ることになったらしい。





彼女はまた、自分が一人だと勘違いしてしまうのではないだろうか・・・・。
彼女の心の苦痛を この男は感じとれないというのか?






MLS26 SS-29
「レディにはお主が必要だろう。何故そんな雑用を引き受けたのだ?」
「・・・・・・あいつが・・・・、俺にしか頼めないって、言うから・・・さ。」





レディは自らジョニィ君を引き離すつもりなのか?
ふ・・・む・・・・?





MLS26 SS-30
「そう言う事なら、了解した。お主は用事を済ませてくるといい。
 少しでも時間が掛かるようなら、彼女のことは今後一切、私に任せてもらおうではないか」






突っぱねる事も出来ない優しいだけの男なら この先、彼女を守ってはいけないだろう?






「はぁ?!何言ってるんだよオッサン!意味わかんねぇ事を言うんじゃねぇよ。」
MLS26 SS-31
「君は彼女の行方が解らなくなった時、必死に追いかけてきたんじゃないのか?
 それなのに、何故こんなにアッサリと離れようとする?」




「それは・・・・アイツが・・・・・・」







「・・・・・・好きなのだろう?」




彼女の言動や行動に 一喜一憂するくらいに。





「なっっ!?何言ってやがるんだ、てめぇ・・・・・!」
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「ふっ・・・。逃げてないで言ってみれば良い。言葉に出せばお主の心も軽くなるかもしれんぞ?」





病室にいるレディの気配を感じながら ジョニィ君の心に波を立ててゆく





「お、俺のことよりも、アンタはどうなんだよ。何の為にアイツの側に居ようとする?」
MLS26 SS-33
「愚問だぞ。好きだからに決まっているであろう?」


「・・・・・・っ!!」







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「(あの二人は部屋の前で何を話しているのかしら・・・・。コッソリ聴いちゃっても良いわよね?)」







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「私は、ジョニィ君とレディ、お主達二人に好意を感じている。だから、居るのではないか。」
「なんだ、ソウイウ意味かよ・・・・」


私の言葉を聞いて、ジョニィ君があからさまに安堵の溜息をついているのは何故だ・・・・。
単調だった私の世界に 波風ばかり立ててくれる二人を 私は好ましく思っているというのに。







「お主はどうなのだ?」
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「あぁ?・・・そんな恥ずかしいこと俺には言えねぇよ。」







「お主の父上は自分の気持ちを奥方へとちゃんと表現しているではないか。
 あの者の息子なら、自分の気持ちを言えるのではないか?」
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「あんなんと一緒にすんなっ!!」


怒りで頬を上気させていたジョニィ君だったが、どうやら羞恥心というものが出てきたらしい。
難儀な性格をしているようだ。










私には、エマに再会したことでひとつ気付いたことがある。





「そうか。自分の想いを表現するかどうかは本人の自由だが、君にはその勇気はないのだな。
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・・・・・・私はどうやら、レディの事が好きらしい。一人の女性として好意を持っている。その事だけは、伝えておくぞ。」
「なっ・・・!?」




二人に感じる人柄への好意とは別の意味での感情を 初めて感じとれたのだ。






二人の間にあるものが恋愛感情に発展していないのなら 



ジョニィ君がいつまでも自分の気持ちと向き合わないのなら





私にも・・・・・チャンスくらいはあるはずだからな。







「レディ、聞こえているのだろう?」
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「・・・・・!!」







「私はただ、君を想う人間がいると言うことを知っていて欲しいだけなのだ。
 私を拒絶するかどうかは考えずに、今は療養にだけ専念してくれ。」
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「・・・・・・・。」





レディの心の安寧のためなら 私は・・・・








驚愕と困惑で黙り込んでしまったジョニィ君から書類の場所を聞き出し、私は二人を置いて病院を後にした。


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私がこうまでしても二人に変化が起きないようなら 彼は馬鹿者以外のなにものでもない。
遠慮無く、動かせてもらおうではないか。









「はは・・・・、何をいきなり、トチ狂ったことを言ってるんだろうな。なぁ、お嬢?」
「・・・・・・・・・・・。」

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「あんなオッサンの戯言、あんま気にしないで今はゆっくり休んでくれよ。」
「俺もお嬢の事は心配だから・・・。それだけは覚えておいてくれたら良いからさ。」

「じゃぁ、またな。」
「うん・・・・・。」



私達に投じられた石は 心に波紋を広げてゆくことになるのだろうか・・・・・。




テーマ:The Sims3 - ジャンル:ゲーム

  1. 2015/09/30(水) 12:01:00|
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